木村 修三
2012/12/21
16年ほど前は、日本企業のほとんどが、終身雇用を前提として社員を雇用し、社員も暗黙的にそのつもりで就社していた。社内で教育され仕事に就き成果を上げて役職者になるシステムであった。
こうした環境で異業種の実際を知るには友人や関係者との交流が主であった。つまり、全く別の世界の状況を知る方法はあまりなく、井の中の蛙状態であった。そのため、外の知識を得るためのこうした異業種の社員同士が交流を持てる会は結構盛んであった。その中で某出版社が事務局を持ち全国的に開催していた異業種交流会に参加した。
丁度インターネットが普及しはじめて個人でもホームページが持てる環境が整備されてきた時、ホームページを個人で作り発表して見たいという集まりが異業種の交流の中ではじまり、私もこれに参加した。これが異業種交流会「decWebcafe」のはじまりである。
メンバーはIT企業に属するもの、全くIT企業とは対極になるものなど20名程度が集まった。ホームページ作成の学習、役割分担、搭載など実に楽しく交流できたと思っている。その後、メンバー交代で月に1度のセミナー開催を通じて親睦を深めている。メンバーの変遷はあるが16年顕在であるのは開催場所と開催日時が一定であるためと思っている。もちろん、セミナー終了後の2次会も重要な位置づけではあるが。
最近のセミナータイトルを挙げて見たい。
10月:ベテルギウス超新星爆発の脅威!
9月:コンピュータウイルスの変化・増大する脅威!
7月:ボーイングの新しい翼787型機
6月:起業の必要条件と身の回りのこと
こうした、趣味と実益をかねた会合を通して異文化に触れ、異業種のメンバーのものの見方考え方を知る。主に企業の中で仕事をする者にとって大変興味深いことではないかと思う。私もこの会合を通じて自分だけではできない経験と啓発を受けることが出来た。
こうした交流会に人的ネットワークの確立やビジネスの機会獲得などを期待する人も多いが、自己啓発を主とした方が成果を得やすいと思う。
以前、ホームページ作成を交流会のビジネスとして請け負ったこともあったが、それはそれで楽しかった。今はホームページは卒業して会員によるセミナーがほとんどである。私は参加してセミナーを聞き参加者と議論することが面白い。私としては今後とも長く続いてほしい異業種交流会である。
木村 修三 (きむら・しゅうぞう)
異業種交流会decWebcafe 会長
BPIA EPUBマニュアル研究会 ナビゲーター
日本ユニシス株式会社で汎用コンピュータのテクニカルサポート、パソコン開発部長、オープンシステムのシステム部長などを担当後、 株式会社エフ・アイ・ティで取締役として帳票ソフトSVFの開発に従事、その後、ウイングアーク・テクノロジーズ株式会社(現ウイングアーク株式会社)で 技術部門の責任者として帳票ソフトSVFや多次元高速集計ソフトDr.Sumの営業支援・技術サポート・教育などを担当。現在はパソコンやWebのコンサ ルタントをしている。