【期間限定アーカイブ動画】
以下のページにて講演のアーカイブ動画をBPIA会員(法人会員の従業員含む)限定で公開中です。(※要パスワード)
https://b-p-i-a.com/?p=23398
【レポート】
こんにちは。BPIA広報委員会の石田です。今回は12月14日(水)に外苑前の日本オラクル社セミナールームにて開催されたBPIA例会についてレポートします。
今回の例会では「ウクライナ緊急援助の現場から~台湾、朝鮮半島での人道回廊を考える~」と題し、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン代表理事の大西健丞氏に講演いただきました。
BPIA例会での大西氏のご講演は今回2回目です。前回はピースウィンズ・ジャパンの活動についてがメインの内容でしたが、今回はウクライナ緊急援助の活動など、この数カ月のリアルな現場についてお話しいただきました。例会では国内・海外での緊急援助の写真を中心にして、大西氏が解説、また例会参加メンバーからの質問という双方向のスタイルで進行していきました。レポートでは参加メンバーの質問から、印象に残った点をいくつか報告します。
ウクライナの緊急援助に赴く大西氏について、「戦争地域に向かう際、自分の安全はどうやって守っているか?」という質問がありました。まずは旧ソ連系武器の射程距離圏外に自分の身を置くこと、と大西氏は言います。それでも銃撃戦に巻き込まれることや、地雷に触れてしまうことの怖さはあるとのこと。実際に危険な状況に陥ることも何度もあったようです。
「NGO活動の人材の確保はいかにしておこなっているのか?」という質問について。人材の確保については実はあまり苦労はしていないというお話しでした。NGOの活動はスピーディーな判断の元で展開されるので、政府系の機関に所属しているメンバーにとっては「自分の力をいかんなく発揮できる」魅力的な活動場所であるようです。
今回の大西氏の講演の中で私が非常に印象的だったのは「物理的に起こすことができることならば、なんでも起こりえると考えておくことが大事」という言葉でした。これは大西氏の中東での実際の経験から得た教訓です。
世界のあらゆる人種は様々な考え方や倫理感を持っています。「物理的に可能でも、倫理的にないだろう」と我々が思っていることも、実際にあり得る、というのです。とくに「独裁者は長期的に考えたらまるでメリットがないことをする可能性がある」という話はしっかり頭の中に残しておきたいと思いました。
今回の例会レポートは以上になります。最後になりますが、大西様、例会担当の田村さん、日本オラクル社の宇木さん、BPIA事務局の川上さん、誠にありがとうございました。
【開催概要】
会員各位
平素より大変お世話になっております。
2023年度第1回のBPIA例会のご案内を申し上げます。
今回は、世界中で緊急支援や開発援助の活動を行っている、
国際協力NGOピースウィンズ・ジャパン(PWJ)代表理事の
<大西 健丞 氏>よりご講演をいただきます。
大西氏には約3年前にもご登壇いただき、様々な取り組み、
チャレンジについて刺激的なお話をお伺いいたしましたが、
今回はこの度のウクライナの実態等、生のお話を語っていただきます。
また、今年度より日本オラクル社での会場開催を再開し、
ライブ配信とのハイブリット形式での開催を予定しております。
大変貴重な機会となりますので、皆さまどうぞ奮ってご参加ください。
可能でしたら是非会場で臨場感のあるお話を伺っていただけましたら幸いです。
日時 | 2022年12月14日(水) 朝8:00〜9:30 受付開始 7:45〜(7:50〜 ZOOMアクセス可) 8:00〜9:30 ご講演 & QA |
場所 | 日本オラクル株式会社 オラクル青山センター 13F 会議室 外苑前駅 4B出口直結 |
タイトル | ウクライナ緊急援助の現場から~台湾、朝鮮半島での人道回廊を考える |
講師 | 大西 健丞(おおにし けんすけ)氏 特定非営利活動法人「ピースウィンズ・ジャパン」代表理事 兼 統括責任者 国際組織「アジアパシフィックアライアンス」CEO |
対象 | BPIA会員限定 |
参加費 | 会場参加 3,000円(朝食代込。当日申し受けます) *オンライン参加の場合は無償。URL等の詳細情報は別途ご案内となります。 |
進行 | 田村 俊和(BPIA常務理事 例会担当/株式会社BX Labs 代表取締役) |
「例会」は、BPIA会長、会員経営者、又は外部経営者知見者を講師に招き、グローバル時代の経営を様々な視点で議論し、相互研鑽とビジネス交流を図るBPIA会員限定の勉強会となります。
◎講演概要
ウクライナでの人道援助の状況と紛争の実態、性質を読み解く。また、現地に根付いた活動から得られたウクライナの生の情報を提供する。
翻って東アジアにおいて、地域武力紛争が勃発した場合、日本としてとりうる有効な手段として当該紛争地に対する人道回廊の設置を考える。1980年代からのアフリカの食糧危機から国家主権を曲げて人道回廊の設置が試みられてきた。最も有名なのは湾岸戦争時におけるイラク北部クルド人自治区に対する人道回廊の設置、及び(人道介入)の実施である。
36度線以北にノーフライゾーンを引き、イラク陸・空軍機の自由な飛行を禁止した。その後、旧ユーゴスラビア連邦における人道回廊の設置や東ティモールへのオーストラリアの介入と回廊の設置などが行われてきた。今年のウクライナ戦争においても、ポーランド側からの実質的人道回廊の設置が試みられている。
これらを俯瞰した上で、東アジアにおける近未来に想起されうる地域武力紛争への日本の役割と責任を考察できれば幸いである。
◎講師プロフィール
大西 健丞(おおにし けんすけ)氏
特定非営利活動法人「ピースウィンズ・ジャパン」代表理事 兼 統括責任者国際組織「アジアパシフィックアライアンス」CEO
1967年大阪生まれ。上智大学卒業後ブラッドフォード大学平和研究学部国際政治・安全保障学修士課程終了。大阪大学人間科学研究科博士課程終了。
大学院在学中にイラク北部に滞在、クルド人支援を始める。
1996年2月「ピースウィンズ・ジャパン」設立。2000年「ジャパン・プラットフォーム」設立、評議会議長。2009年公益社団法人「Civic Force」代表理事。
2010年内閣府「『新しい公共』円卓会議」委員就任。2015年厚生労働省「国際保健」参与。
2018年外務省「ODAに関する有識者懇談会」有識者委員。
2021年〜経済同友会「新しい経済社会委員会」副委員長。
2016年日経ソーシャルイニシアチブ大賞を受賞。
▶「ピースウィンズ・ジャパン」公式サイト