第四期のWEBビジネス研究会は「ワークショプ型」の新しいスタイルにチャレンジをしていきます。2011年からスタートしたWEBビジネス研究会の目的は「WEBビジネスの再構築を考える」です。WEBサイトを立ち上げることを「目的」とするのではなく、日々の運用を回しながら成果を求めていく「手段」とする。そのためにはどうすればいいか?これがWEBビジネス研究会が求めていくところです。これまでは3年間で14回、多彩なゲスト講師をお招きし、スクール形式での研究会を行ってきましたが、「より現場の改善に繋がる」研究会に進化するためのステップとして、今回「ワークショップ型」に挑戦をすることにしました。今回は、その導入セミナーでした。
*テーマと対象とする方
今回のWEBビジネス研究会ワークショップ編はBPIA会員企業を主な対象にしています。「BPIAの会員になると売上が上がる」そんな噂をしてもらえる研究会に成長できればと思っています。BPIAの会員企業にITシステム関連のBtoBの企業が多いことから、「ITシステム企業がWEBサイト経由での新規案件を増やすには?」というところをテーマにしました。今回はBtoCではなく、BtoBの企業のための研究会です。WEBサイト経由での新規の問い合わせや相談・見積依頼が少ない企業、WEBサイトへのアクセスが伸びない企業、WEBサイトのアクセスを増やすために「広告」一択の手段しか持っていない企業、WEBサイトの改善活動が「時間があるとき」「気が向いたとき」など、後回しになっている企業の「現場のWEBサイト担当者」の方にぜひ参加いただきたいと思います。
*導入セミナー
今回の導入セミナーでは、1月21日からスタートする全4回のワークショップで行う内容とその概念をみっちり90分間、私の方から説明をさせてもらいました。ワークショップに参加される皆さんには「一歩一歩着実に、そして確実に」ステップアップをしてもらいたいので、全4回の中でディスカッションをしながら、さらに深掘りを進めていくことになります。主に、導入セミナーでお話しした内容を紹介します。
・WEBサイト経由での「新規の問い合わせ・相談・見積を増やす」ための流れ
1.売りたいものを決める
まずは、自社におけるWEBサイトの役割を考えます。それは、WEBサイトで「製品を買ってもらう」ことなのか、「サービスの問い合わせ・見積をもらう」ことなのか、「企業(事業)のブランディング行う」ことなのか、役割を明確にします。その上で、WEBサイトで売りたいものは何なのか?です。「特定の製品」なのか、「特定のサービス」なのか、「企業の理念」なのか、各々の会社に各々イメージがあるはずです。それを明確にします。そして、WEBサイトが対象にしている人は誰なのか?。「株主」なのか、「従業員」なのか、「取引先」なのか、「お客様」なのか。WEBサイトに訪問したユーザーは「時間をかけて見る価値があるか」を一瞬で判断しますから、対象を明確にしなければいけません。
2.どうサイトで見せるかを考える
売りたいものを決めたら、次にどうサイトで見せるかを考えます。ITシステムの会社のWEBサイトの多くが「機能」優先で、製品のアピールをしていますが、全面的に見せ方を変えなくてはいけません。「その製品は、どんな課題解決をしてくれるのか」「その製品(課題解決は)は、誰(どんな企業)が欲しがるのか」「その製品(課題解決)は、企業の誰が探すのか」。この3つの手順で見せ方を考えていきます。実際に製品を探す人に、「これこれ、これを探していたんだ」と思ってもらえるまで見せ方を柔らかくしなければいけません。そして、多くの場合、「これを探していたんだ」は「機能」ではありません。
3.知ってもらう方法を考える
売りたいものが決まり、サイトの見せ方を変えたとしても、誰にもWEBサイトを見てもらえないのでは問い合わせ・相談・見積はきません。さらに、WEBサイトに一定数以上のアクセスがなければ、次の改善に繋がるデータを取得することもできません。インターネットで新規顧客を集めるための方法は、大きく分けて3つしかありません。「広告をかける」「検索にヒットする」「メディアに掲載される」。この3つです。しかし、「広告をかける」はお金がかかりますし、「メディアに掲載される」は他力本願です。自力で着実にインバウンドを成長させていくには、「検索にヒットする」を地味に狙っていかなければいけません。そして、そのポイントはWEBサイト上の「コンテンツの量」です。ロングテールの検索ヒットを狙っていきます。合言葉は、「お客様は『自分のケース』を探している」です。
4.データを取って、カイゼンする
売りたいものが決まり、サイトの見せ方を変え、コンテンツの量も増えてきた。それでも、すぐに効果が出るわけではありません。しかし、心配する必要はありません。「データをとって、毎日カイゼン」ができること。これがインターネットマーケティングの最大のポイントです。日々行っている改善活動の成果を、常にデータでチェックし続け、ユーザーのレスポンスが上がるように調整をし続けることができます。「昨日のWEBサイトのセッション数は?」「11月にお問合せページが開かれた数は?」「2014年、WEB経由での問合せ数は?」。このあたりの数字、パッと出てこない企業も多いのではないでしょうか。WEBビジネス研究会では、「イチ」から指導していきますのでご期待ください。(ここが石田の専門ですので)
*ワークショップ編のスケジュール
WEBビジネス研究会ワークショップ編(全4回)は、新年1月21日(水)@日本オラクルよりスタートします。全日程はこちらです。
★ 第1回 : 2015/1/21(水)16:00~18:00 @日本オラクル
★ 第2回 : 2015/2/4(水)16:00~18:00 @日本オラクル
★ 第3回 : 2015/2/18(水)16:00~18:00 @日本オラクル
★ 第4回 : 2015/3/4(水)16:00~18:00 @日本オラクル
上記、導入セミナーで紹介した内容を、参加メンバーでプレゼンテーション&ディスカッションをしながら、自社のWEBサイトに如何にして落とし込むことができるかまで、全4回で掘り下げていきたいと思います。また、自社のWEB戦略を進める上での現実的な課題になるもの、例えば「WEBに関する社内の体制・スキル」「社内での稟議について」などについても、ディスカッションができればと考えています。とにかく、WEB戦略を「一歩でも前に進める」ことを目的としたワークショップです。エントリー申込も始まりますので、BPIA会員企業のみなさんの参加をお待ちしています。今が「やりどき」です。
■ ナビゲータ
石田麻琴 株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役社長
<いしだ・まこと>早稲田大学第一文学部卒業後、インターネット通販ベンチャーに6年間勤務。ネットショップ店長として、仕入・マーケティング・システム構築・物流などを1人でこなし、1年間で売上7,000%アップ、年商3億円を実現。インターネット通販を中心としたマーケティング支援/マーケティング人財の育成を目的とした株式会社ECマーケティング人財育成を設立。有力EC/Web企業を支援。船橋情報ビジネス専門学校特別講師など人材育成にも注力。その他、商工会議所での講演、新聞やWebでの連載など。
谷口擴朗 一般社団法人ディレクトフォース会員no.927
<たにぐち・かくろう> 昭和20年生まれ。京都大学法学部卒。昭和43年住友銀行(現三井住友)入行。同駒川町支店長、梅田新道支店長を経て平成7年より通信業界へ移籍、日本高速通信取締役、KDD取締役大阪支社長、KDDI理事東海支社長を経て平成15年KDDI常務理事北海道総支社長、平成17年 KDDIテクノ取締役執行役員専務平成20年7月より京セラコミュニケーションシステム顧問に就任、平成25年3月末退任。平成24年11月より社会貢献を目的に活動する現一般社団法人に所属。”船に乗らずに潮に乗れ”の言葉をモットーとして時代の変化に乗り遅れないよう自己研鑽を重ねながら、銀行業界21年間、通信業界23年間の様々な苦労・学び・体験を生かし、今後は縁ある人々のお手伝いをしつつ、人のため、社会のため、地球のためになれるように生きていきたい。BPIA会員コラムhttps://bpia-box.com/column/110727.html