男女共同参画社会実現のための社会教育の場の提供が会館の使命
~ 恵まれた環境、充実した設備、格安料金が魅力で、企業研修などの一般利用も可能 ~
企業活性化研究会では、これまで、働き方、モチベーション、ダイバーシティと女性活躍、経営者意識、地方の活性化などの要因をテーマとして検討してきており、こうしたテーマで成果をあげている企業や組織、関連する施設や教育機関などを訪問している。この一環として、今回は、10月29日に独立行政法人である国立女性教育会館(NWEC:National Women’s Education Center)を訪問した。
NWECの設立経緯や機能、事業内容については、NWECのホームページに詳細に紹介されているので、ここでは、撮影した写真にコメントする形で概要を以下に紹介する。
池袋から約1時間の東武東上線武蔵嵐山から徒歩で12分。都幾川に沿った丘陵地の広大な土地に国立女性教育会館(NWEC)はある。本館のほか、研修棟、宿泊棟、食堂、体育館、テニスコートなどがあり、音楽室や美術工芸室なども設置されている。
整備された庭園が印象的で、茶室や座敷のある日本家屋(響書院)も利用できる。11月中旬からは紅葉が楽しめる。花壇の整備や館内の生け花などは、地域のボランティアの協力を得ているとのこと。
宿泊施設の窓からの眺望。都心から1時間とは思えないのどかな風景。137室の洋室と24室の和室があり、300人の宿泊が可能。部屋も広く、料金は格安(利用目的により異なるが、2,500~4,300円程度)。宿泊を含む研修や都会を離れてのリフレッシュなどにも利用できる。
本館内には、男女共同参画に関係する資料が多数展示されている。女性教育情報センターは男女共同参画等に関する資料の収集とデータベース化をおこない、情報はインターネット(Winet)から検索できる。女性アーカイブセンターでは、展示室で、“宇宙をめざす~チャレンジした女性たちからチャレンジする女性たちへ”の企画展示がおこなわれていた。
施設のロビーも広く、談話室やラウンジなども設置されている。レストラン(300席)も充実しており、朝昼夕と利用でき、懇親会にも対応している。
600人が入れる講堂(933㎡)。男女共同参画推進フォーラムや各種の国際会議、シンポジウムなどが開催される。
120名が入れる大会議室(284㎡)。このほか、40名の中会議室、12名の小会議室がある。研修室は、150人から20人までの15室があり、パソコンを設置した30人までのマルチメディア研修室もある。こうした施設も格安で利用できる。
刑事ドラマの撮影でよく使われる階段状の場所で会議室が捜査本部になる。男女共同参画や女性教育だけでなく、多目的に施設が活用されている。こうした一般利用も歓迎とのこと。多くの人に使ってもらうことで、男女共同参画の意識が普及することが期待されている。
理事長室で撮影。内海理事長からは、会館の使命と役割について話をうかがった。NWECが培ってきた知見を活かして男女共同参画社会形成に資する社会教育の場を提供することが使命とのこと。
女性活躍が政府の施策になっていることもあり、最近注目されている施設ではあるが、会館の名称から、男性も利用できることや一般の研修にも低料金で利用できることは知られていない面もある。
都心から1時間程度でリフレッシュできる環境と設備が整っているので、社員研修や幹部研修、事業戦略立案や中期計画検討などにも活用してはいかがだろうか。
(岡田正志 B&Tコンサル・オフィス・オカダ 代表)