【講演資料】
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【レポート】
こんにちは、広報委員の石田です。今回は6月1日と2日に那須ゴルフ倶楽部にて開催されました、BPIA新緑セミナーについて報告をします。
今回の新緑セミナーは「平成の振返りと令和のチャレンジ」と題し、倉重会長よりご講演いただきました。また質疑応答・ディスカッションの時間では参加者から活発な意見交換がありました。
元号が変わって良かったこと。それは平成という約31年間を振り返るきっかけになったことではないでしょうか。倉重会長のご講演は、経済に関わるキーワードの定義を参加者と揃え、共通認識を持つことからスタートしました。名目GDPと実質GDPの違い、物価とは何なのか、「景気が良い」とはどういう状況を指すのか、プライマリーバランスとは何か、など。言葉自体は知っていても、説明してみようとすると詰まってしまうキーワードばかりでした。
日本円を発行している日本銀行は日本政府の子会社であり、仮に日本政府と日本銀行が連結すれば負債はすべて消えることになります。「国の借金」が問題視されることもありますが、完全な自己完結状態のため自分で自分に貸しているだけ、という話が目からウロコでした。むしろ日本は世界でもっとも世界にお金を貸している国であるということです。
次に平成の時代における日本の成長と衰退について。1980年代に世界第二位のGDPに成長した日本ですが90年代に入ると日本経済は天井に突き当たります。1990年から今日に至るまで、日本の売上は1,450兆円前後で変化がありません。
日本経済が後れをとってしまった原因として、①社会主義国の崩壊、②中国と新興国の工業化、③第二段階のIT革命(インターネット、デジタル)の対応、④製造業のビジネスモデルの変化、があげられます。日本が対処策としておこなったのは生産拠点の海外移転だけでした。この30年間を振り返ると、日本はITとインターネットで後れを取りましたが、原因はソフト人財の供給量の少なさです。その根底にあるのは、経営者のITリテラシーの低さでしょう。未だに「俺、ITわからないから」という経営者が多くいます。
LRCとHRCという言葉があります。LRCは経営戦略の基本が価格競争にある発想であり、HRCは経営戦略の基本が価値競争にある発想です。日本は1990年代にHRCからLRCに移行してしまいました。LRCは人口増加時代の手段、人口減少時代の手段はHRCであるはずなのにです。倉重会長が例として挙げてくれた「LCCは航空券を顧客に安い価格で提供しているが、従業員の給与も安いわけではない。HRCの発想だ」という話でした。
さて、これからの日本はどうなるでしょうか。令和のチャレンジとして、①労働力不足、②社会保障費の増加、③世界経済構造変化への対応、④明日を創る意欲の回復、この4つを倉重会長は挙げられました。
まず労働力不足と世界経済構造変化への対応は、生産性を向上させることでカバーすることができるのではないかということ。そのためにもデジタルトランスフォーメーションに取り組み、価値生産(GoodsDL)から価値共創(ServiceDL)に戦略を変化させなければならないこと。21世紀の経営として、①自己改革、②任せる経営OODA経営、③エコシステム、④リスク挑戦、⑤海外高度人財活用、がポイントになるのではないかということです。
平成の31年間で日本人の生活環境が変化し、未来に楽観も悲観もせず身近な幸せを探す、「イマ・ココ・ワタシ」の価値観が広がっています。しかし経営者は「明日を創る意欲」を持たなければいけません。そのためにも、①好奇心を燃やすこと、②世界、未来、サイエンスをみること、③新しい価値を創造すること、④積極的にコミュニティ活動をすること、⑤美意識ベースの行動規範(自然法主義)を持つこと、⑥感性を磨くこと、これらを心がげていきたいですね。
最後になりますが那須ゴルフ倶楽部を予約してくださった仙石副会長、仙石社長、ご準備いただいた伊藤常務理事、川上事務局長、そして倉重会長、誠にありがとうございました。次回のBPIA合宿セミナーもお楽しみに。
【開催概要】
日程 | 2019年6月1日(土)〜6月2日(日) *1泊2日 |
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対象 | BPIA会員、会員ご紹介者様 |
会場 | 那須ゴルフ倶楽部 〒325-0301 栃木県那須郡那須町湯本212 0287-76-3100 |
プログラム(予定) | ※下記は昨年度のタイムスケジュールを参考に記載しております。
≪1日目≫ ≪2日目≫ |
参加費 | 10,000円 ※1)セミナー参加費、夕食費、懇親会費、付随費用含む。 ※2)現地までの交通費、宿泊費、朝食費は含まれません。 ※3)その他下記費用につきましては、各自必要に応じてお支払となります。 ・交通費 …東京駅~那須塩原駅 片道5,390円 ・宿泊費 …5,550円(入湯税150円含む) *部屋は1名1室利用 ・朝食費 …1,080円 ※4)2日目にゴルフをされる方は下記費用が必要となります。 ・ゴルフプレー費 …26,910円 *キャディ付、4バック、歩き(3バックの場合+320円) *乗用カート利用の場合、1人当たり+2,160円 ・昼食・パーティ費 …約3,000円 |
申込締切: | 2019年5月22日(水) |