高橋 慈子
2013/8/16
先般、7月1日に、インプレスジャパンから著者である『スマホではじめるFacebook<改版>』が発行されました。これは昨年2013年5月に発行した書籍を全面的に見直したものです。スマホの世界は変化のスピードが速く、たった1年でユーザーインターフェイスも、サービスもこう変わるのかと驚きながらの作業でした。
初版の企画がスタートしたのが、2011年の年末。Androidのスマホが続々と登場した年です。iPhoneは最初のモデルが発売された2008年から使っていたものの、Androidのスマホは持っていなかったので、書籍の企画のために購入。同じFacebookアプリでも、iPhone版とAndroid版で異なることにも驚き、検証しながらの執筆となりました。
執筆中に最も泣かされたのが、2回の校正が済んだ時期のFacebookの大幅なインターフェイスの変更。タイムライン画面が導入され、メニューアイコンが変わり、ほとんどの画面キャプチャが撮り直しに。しかもアカウントによっては旧画面が表示されるなど、まさにアジャイルに開発して、ユーザーの反応を見ながら改善していく、従来のシステムとは違う開発スタイルやサービスインまでのスピードを実感しました。
そうした進化するサービスを追いかけながらの執筆となりましたが、もっとも注力したのが、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の世界観を伝えることと、安心して使えるように設定を自分で変えて使うことを、わかりやすく表現することでした。
「Facebookっていったい何ができるの?」「実名で書いてしまって、プライバシーは大丈夫なの?」といった、私自身が友人、知人から受けた質問に答えたいとの気持ちでした。
アプリやサービスの解説書では、説明のための例や画面の内容が、わかりやすさ、親しみやすさを増すポイントとなります。いわばテクニカルライターの腕の見せどころ。ストーリーを作り、登場人物たちのバックグラウンドを考え、スタッフや知人から協力してくれる方々の写真を集めて、Facebookでの投稿のリアル感を出しました。読みやすくの見た目も大事。デザイン、イラスト、DTPの制作面も弊社で担当しています。
こんな風に作り上げ、発行した「スマホではじめるFacebook」の好調を受け、Twitter、LINEとシリーズが続いたのは、本当に嬉しいことです。
どれも、いつでも、どこでも情報にアクセスして、発信できるスマホならではのメリットが伝わるように知恵を絞っています。
SNSは疎遠になっていた人と、再びつながることができるツール。BPIAに入会できたのも、FacebookでBPIAの研究会でナビゲータなどをされている片貝孝夫さんとふたたび交流ができたことがご縁でした。
最後にもうひとつ、エピソードを紹介します。『スマホではじめる<改版>』には、片貝さんからご提供いただいた愛犬のお写真も画面キャプチャで使わせていただいています。とても可愛いので、書店で書籍を見かけたら、ぜひ、ページをめくってご覧ください。
周囲の「スマホを買ったから、Facebookを初めてみたいな」という方に、書籍をおすすめいただけると、なお嬉しいです。
株式会社ハーティネス
代表取締役テクニカルライター
高橋慈子
技術系出版社勤務を経て、テクニカルライターとして独立。1988年テクニカルコミュニケーションの専門会社、株式会社ハーティネスを設立。同代表取締役。企業の製品マニュアル、ソフトウェアやサービス解説書の企画・執筆・制作に携わる。ドキュメント制作部門へのコンサルティング、トレーニングも提供。日経ビジネススクールで「技術者のためのライティングスキル養成講座」や「実践ロジカルライティング入門」などのオンライン講座を提供。
情報処理学会デジタルドキュメント研究会幹事。立教大学、慶應義塾大学非常勤講師、大妻女子大学特任准教授。
株式会社ハーティネス
http://www.heartiness.co.jp
ブログ
http://shigeko_takahashi.weblogs.jp/