2023年度 デジタルトランスフォーメーション研究会 第3回
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2023年度 デジタルトランスフォーメーション研究会 第3回(2023/7/3) 『「防災」を起点とした地方創生への挑戦』 狩野 貴史 氏(ベル・ホールディングス株式会社 新規事業室長/ベル・データ株式会社 防災事業統括部 統括部長)

【レポート】

 こんにちは。BPIA/デジタルトランスフォーメーション研究会ナビゲータ―の石田です。今回は7月3日にオンラインで開催された、第12期デジタルトランスフォーメーション研究会の第3回研究会「『防災』を起点とした地方創生の挑戦」についてレポートします。

 今期のDX研究会のテーマは「地方創生×DX」。BPIAの橋本理事・梅木理事のお力をお借りしながら、デジタル技術を元に地方創生ビジネスに取り組むゲスト講師をお呼びして研究会を展開していきます。

 第3回目のゲスト講師としてお呼びしたのは、ベル・ホールディングス株式会社新規事業室長/ベル・データ株式会社防災事業統括部統括部長の狩野貴史氏です。

 狩野さんは防災の主に「備蓄」について、新規事業を進められています。備蓄にはいくつかの課題があります。ひとつは「備蓄の20%問題」と呼ばれるもの。一般的な備蓄食がなんらかの事情で食べられない人が20%存在します。この方々の食事をどうするのか。またローリングストックの問題。いかに自治体・企業が連携してストックを回していくのか。狩野さんはデジタルを活用し、防災における備蓄の最適化に取り組んでいます。

 自治体や企業は備蓄にコストがかけられない現実があります。単純なヒトモノカネのリソース不足。防災という有事よりも、どうしても平時の活動が優先されてしまうこと。そして特に自治体では「異動」があるため、専門的な人材やノウハウが蓄積されていきません。有事に際して7日間の備蓄がルール化されているものの、対応しきれていないのが現状ということです。

 そこにデジタル活用のチャンスがあります。ベル・データさんが取り組んでいるのは、備蓄の共同購買。地域共通のプラットフォームを構築し、自治体と企業の共同購買を進めることで、仕入れのコストダウンを図ります。また、備蓄管理のスマート化。防災備蓄のパッケージサービスを展開することにより、賞味期限切れなど備蓄の状態を常に管理します。また官民連携によって、いわゆる「みなし備蓄」を流通業者に提案し、コストダウンを図ることも可能です。

 印象的だったのが「行為の備蓄」という考え方でした。地域の人々がどのような協力ができるか(たとえば、私は看護師ですなど)の情報を事前に共有しておくことによって、有事が起こった際の対応と安心感につながるというお話です。地域のつながりが少ない現代ですが、有事の際に協力し合うための準備をしておく、これもひとつの「備蓄」であると感じました。

 防災における備蓄について、じっくりお話を聞くこと自体がはじめてでしたので、とても学びが深い回となりました。次回のDX研究会は9月中旬を予定しています。ぜひ引き続きご参加ください。


ナビゲーター 石田氏より

こんにちは。BPIA/DX研究会ナビゲーターの石田です。
今期は「地方創生×DX」をテーマに開催をしています。
第3回目のゲスト講師はベル・ホールディングス株式会社の狩野貴史氏です。
IT事業をメインとするベルグループの新規事業が防災事業です。
防災とデジタルはいかに関係するのか、また地方創生との関係性とは?
今回は防災事業統括の狩野さんにお話しいただきます。
ぜひご参加くださいませ!


【開催概要】

タイトル「防災」を起点とした地方創生への挑戦
日時2023年7月3日(月)
17:20〜 アクセス可
17:30-19:00 講演及び質疑応答
講師狩野 貴史(かりの たかし)氏
ベル・ホールディングス株式会社 新規事業室長
ベル・データ株式会社 防災事業統括部 統括部長
開催方法Zoom
※ご参加者様へは別途開催情報をお知らせいたします。
対象BPIA会員、会員ご紹介者
※ BPIAご入会に関心をお持ちの方歓迎します!

【講演内容】

我が国は自然災害対策にも関わらず公的な災害対応については充分な予算が割かれていません。
結果として避難所の環境はあまり改善されておらず、災害時にいざ逃げてこられても充分な食事や生活環境を提供できず、避難所の中で健康を害してしまう方々が存在します。
また、ビジネス目線で見れば防災市場は規模も小さく細分化されており決して魅力的な市場ではないため、社会課題解決とビジネスを両立させるためには、災害時だけでなく平時でも有用のシーンの創出や他産業・地元企業との連携が必須となっています。
研究会ではこうした地方の実態と弊社の取り組みを共有させていただきながら、地方創生に向けた共創案についてディスカッションさせてください。

狩野 貴史(かりの たかし)氏

ベル・ホールディングス株式会社 新規事業室長
ベル・データ株式会社 防災事業統括部 統括部長

日本IBM株式会社、GCA株式会社(現フーリハンローキー株式会社)を経て、2021年より現職。
防災備蓄管理プラットフォームBxLinkを開発し地方自治体や民間企業に導入。
また、100を超える基礎自治体にアプローチして地方自治体の防災に対する現状を把握するとともに、防災備蓄をきっかけとした地方自治体の広域連携や、地元の企業や他業種企業と連携した官民連携事業の創出に邁進している。
令和4年度 内閣官房 冬のデジ田甲子園本選出場。
令和5年度 内閣官房 国土強靭化民間の取組事例集に掲載。

[参考▶] 防災備蓄品のローリングストック


■ナビゲーター

石田 麻琴(株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役)

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