レポーター: 片貝孝夫 片貝システム研究所
去る7月15日、BPIAの「目からウロコの新・ビジネスモデル研究会」で、私と元ダイヤモンド社社長の岩佐さんと一緒にナビゲーターをしている井ノ上美和さんが、学習院大学経済学部の1年生に「私の生き方」というテーマで講義をした。
元大成建設CIOの木内さん始め数人のおっかけ応援団の見守る中での講演だった。
講演の冒頭、自己紹介の中でBPIAでの活動の様子も紹介された。250名を越える学生にむけてBPIAが大いには語られたのは嬉しいことだった。井ノ上さんのことは、私は、メキシコやスペインで働いていたということは断片的に知っていたが、まとまった話を聞いたのは今日が初めてだった。
※上記写真は、イトーキ社でのBPIA研究会の様子を伝えるスライド。
さて、講演の中で一番ずしんと来たのは「相手を認めなければ自分も光れない」ということだった。
日本人は人と違うのを怖がる。なぜ怖がるかというと、自分が無いからだ。
では自分を持つにはどうしたらいいか。それは相手を認めることだと井ノ上さんはいう。
相手を認めるということは、自分より優れているということを認めるということだ。
それは嫌だ、だからお互いに適当に自分をごまかしてみんなと一緒としている。みんなと一緒ということで安心している。
一方日本人は、自分などたいしたことのない人間だと思っている人が6割以上いる。これは世界的に見て日本だけの異常な現象だという。
なぜそんな情けないことになっているかというと、その原因はみんな一緒の体質にあるという。
友達の優れているところを認めると言うことは、その面においては自分の敗北だ。しかし認めれば、翻って自分には何があるかと問うことになる。そこで初めて自分のアイデンティティーに目覚め、自分にはこれがあると気付き、それを磨こうとするという。
自分と人とは違う、違って当たり前だ。自分には何があって、相手には何がある、だから楽しい、違うから楽しい、違うから競争にならない、自分はオンリーワンだ、自分は素晴らしい、となるという。
井ノ上さんは、この通りしゃべったわけではないが、私はこう受け取った。実に明快で、自分探しにはこの方法しかない、この方法でやれば、だれでも自分を探せると思った。
講義が終わってから、井ノ上さんの周りに学生が殺到した。みんな自分のアイデンティティーを持ちたいと心が叫んでいるのではないかと思った。