Webビジネス研究会 レポート 研究会 2015年度 研究会/講演会

Webビジネス研究会ナビゲータレポート

みなさん、こんにちは。BPIA/WEBビジネス研究会ナビゲータの石田です。今回は、3月4日に日本オラクルさんのセミナールームをお借りして開催した、WEBビジネス研究会-ワークショップ編-第4回についてレポートさせていただきます。

 1月21日からスタートしたWEBビジネス研究会-ワークショップ編-の最終回となったこの日は、これまでのWEBビジネス研究会では考えられなかった快晴となりました。WEBビジネス研究会は、これまで台風や雪、大雨を経験してきましたので、この天気には非常に安心しましたが、むしろ暑すぎる気温に汗をかいてしまうような日でした。

 WEBビジネス研究会-ワークショップ編-の活動をおさらいしておきます。第一回は自己紹介と企業のWEBへの取り組み、各社のテーマ設定をメインとして行いました。第二回は講義を中心として、WEBサイトの読み手の設定とページ編集の考え方、インターネット上から潜在顧客をWEBサイトに集めてくるための仕組みについて学んできました。第三回はWEBサイトを利用するペルソナを複数パターンイメージし、そのペルソナがインターネット上でどんな行動をして「課題解決」を探すか、それを議論しました。そして、今回の第四回(最終回)はWEB活用の最重要部分である「データ活用」について、その考え方を共有しました。

*社内の問い合わせ窓口(サポート)や営業の現場で、どのような「質問」があったか。
 第四回のワークショップ編は、各社、前回の宿題の発表からはじまりました。宿題のテーマは、各社設定しているWEB経由での新規顧客を獲得したいサービスに対して、「これまで問い合わせ窓口(カスタマーサポート)や営業の現場で、どのような質問があったか」それを社内でインタービューしてくる、というものでした。

 実際のお客様候補になる方が、問い合わせ窓口や営業との打ち合わせで質問をすることは、インターネットでも事前に検索をしている可能性が高いわけです。いただいた質問を列挙し、「○○できるか?」を「○○するためには?」と変えるだけで、WEBサイトに載せるコンテンツのタイトルが出来あがります。例えば、サービスに対して「食品会社の業務効率を上げられるか?」という質問をリアルの場でもらったならば、「食品会社の業務効率を上げるためには?」というWEBサイトのコンテンツを用意するためのヒントになるはずです。

*WEBのデータをどうやって管理しているか?
 データ活用のセオリーを共有する前に、WEBビジネス研究会参加各社が現状WEBのデータをどうやって管理しているか、活用しているかの情報交換をしました。主に現状の報告として上がったのは、「どれくらいの頻度で」「どんなデータ(数値項目)を」「どんな形式(エクセルや特定のツール)で」見ているか、ということです。

 ここは、これからツールを導入してWEBデータの活用を始めていくという会社もありましたし、自社独自のツールを活用してすでにWEBデータの管理を行っているという会社もありました。月単位、週単位でデータを見ているという会社もありましたし、年に数度、何かの会議のタイミングのときにWEBのデータをとっているという会社もあります。WEBデータへの取組みはそれぞれ、会社と担当者のペースから始めていただいて良いと思います。

*「データを読む」とは、果たしてどういうことなのか?
 「データ活用」の基本を皆さんと共有しました。データ活用・データ分析というと、いま現在のデータが良いのか悪いのか、それを評価したいと考える勘違いが多くあります。WEBサイトの「アクセス数:100人」というWEBデータを見て、それが多いのか少ないのか、良いのか悪いのかというのは評価できません。他のWEBサイトとは商材も違えば、サービスも違う。写真の撮り方もサイトのレイアウトも、文章のテイストも、運営している人も違いますから、評価ができないわけです。

 「データを読む」とは、「現在のデータ」と「過去のデータ」の比較です。同一期間同一条件のデータを比較しなければいけません。データを比較して、その変化を見る。そして、そのデータの変化が、自分達のアクション(施策)によって起こったことなのか、それとも市場環境の変化によって起こったことなのか、その「原因」を予測しなければいけません。そして、次のアクションを決定し、今度はその成果としてデータを見る。これを繰り返し続けることが「データを読む」ということです。

*WEBのデータ活用は、まずはここから始める。
 WEBのデータ活用に慣れるためには、見るデータをできるだけ絞って徹底的に頭にいれることが肝心です。Googleアナリティクスを使ってデータ活用をするのであれば、ユーザーサマリー・コンテンツサマリー・オーガニック検索キーワードの3つから見るのが良いと思います。

 まずは、毎月1回、ユーザーサマリー・コンテンツサマリー・オーガニック検索キーワードのデータを印刷する。そして、数字が変化した要因として考えられるものを書き残しておく。また1ヵ月経ったら、データを印刷する。前月のデータと見比べて、数字が変化した要因を予測し書き残しておく。これを繰り返し続けていくと、インターネットマーケティングの力がついてきます。

*終わりに
 以上で、WEBビジネス研究会-ワークショップ編-の全四回は終了です。最後に、参加された皆さんからひと言ずつ、研究会で学んだこと気がついたことを話していただいて終わりとなりました。

 このワークショップ編全四回を通じて、ナビゲータ石田自身も非常に多くの学びがありました。ワークショップ形式の難しさ、自分が話すところと意見を伺うところのバランス。WEBビジネス研究会はじめての試みということで至らない部分も多かったと思いますが、第一回の参加者として手を挙げてくれた皆さんに助けられました。本当にありがとうございました。これを良い経験として、次のWEBビジネス研究会の企画に入っていきたいと思います。

 最後になりましたが、全四回セミナールームを用意していただいたオラクルの宇木さん、BPIA事務局の川上さん、山内さん、飯塚さん、そして参加者の皆さん、ありがとうございました。では、また次回のWEBビジネス研究会でお会いしましょう!