Webビジネス研究会 レポート 研究会 2012年度 研究会/講演会

【第2回 Webビジネス研究会】報告

いま初めて語られる・・結婚式場選びのNo.1口コミサイト「みんなのウェディング」運営ノウハウ大公開
ゲスト: 中村義之 株式会社みんなのウエディング 取締役マーケティング部長
2012年1月24日(火)16:00- / アーク情報システム(市ヶ谷)

レポート:研究会ナビゲータ・石田麻琴

 

こんにちは。BPIA・Webビジネス研究会ナビゲータの石田です。今回は1月24日にアーク情報システムさんで開催させていただいた、第2回Webビジネス研究会「結婚式場選びのNo.1口コミサイト『みんなのウェディング』」についてのレポートを書かせていただきます。

 

元々、みんなのウェディングはモバゲーで有名な株式会社ディー・エヌ・エーの一事業部でした。2010年の10月に分社し、「株式会社みんなのウェディング」が設立されています。今回ゲストにお呼びした中村取締役は、株式会社みんなのウェディングのマーケティング部長、株式会社ディー・エヌ・エー時代はショッピングモール事業部にもおり、筑波大学時代はインターンとしてネットショップの運営をされていました。そして、そのインターン先の担当者がワタクシ・ナビゲータ石田であった。そんな関係です。

 

中村さんが初めてインターンとして入社してきたときのことは良く覚えています。まず驚いたのが185㎝を超える身長。僕は彼の上長にも関わらず、中村さんを見上げながら話さなければならない!当時、活きのいいインターンが何人かいた中で、その身長の高さとバスケットボールを中高大と経験していたことから、とてもわかりやすい「ジョーダン中村」というあだ名をつけられ、5年以上経った今でも、彼を「ジョーダン」と呼んでいる者が何人かおります。これ本当に。

 

ナビゲータ石田もこの身長で(!?)いちおうバスケットボール経験者でありますので、会社・社外のメンバーを集めてバスケットボールをしたり、プライベートでも飲みに行ったり温泉に行ったり、お互いの家に遊びにいったり、と仲良くさせていただいています。

そんな中村さんだからこそ、ぜひこのBPIA・Webビジネス研究会で話して欲しかったのです。5年前は想像もつかなかった舞台で。

 

 

読者のみなさんは「みんなのウェディング」をご存じでしょうか?

 みんなのウェディングは結婚式場選びの口コミサイト。ユーザは他のユーザが投稿したレビューを読んで、結婚式場に関する情報を得ることができます。「本番・下見・招待」などカテゴライズされたテキストの口コミを読める他、結婚式場側が提示した実際の見積書や請求書まで閲覧できてしまうというのも魅力です。結婚式場情報といえば、それまでは特定企業の寡占状態でしたが、みんなのウェディングはその市場に風穴をあけた、と言っても良いでしょう。ナビゲータ石田も、いま日本で最も注目すべきWebビジネスのひとつだと思っています。

 

さて、そんなみんなのウェディングの特異なコンセプトですが、その誕生は事業部立ち上げ時の事業部長の苦い経験から、だったようです。自身の結婚式において、見積もりと実請求の違い、打ち合わせ時の式場の対応の悪さなど、十分満足のいく結婚式ができなかった。その感情と事実を人に伝えたいと思ったときに、伝えられるものがなかった。特定企業の寡占状態により、冠婚葬祭の不透明な料金体型などは表に出てこない。では、自分達が新規事業として、事実を伝えられるサービスを立ち上げようと。

 

 

「ユーザに金銭や特典を与えたところで、いいレビューを書いてはくれない。まずいいレビューがあって、それを参考にして結婚式場を選んだユーザが、次に結婚式をするユーザの役に立つために、きちんとしたレビューを投稿する。みんなのウェディングのWebサイトへの集客に関しても、検索エンジン対策や広告出稿などは小手先の手段に過ぎず、あくまでみんなのウェディングの本質である『コンテンツ』に対して真摯に向き合い続けてきたからこそ、ユーザが付いてきてくれ、サービスが成長し続けているのだと思う。」と中村さん。口コミサイトとしてのその根幹は、テクニックではなくレビュー投稿そのものにあるのだろうと思った。

 

 

みんなのウェディングの口コミの特徴は、ユーザが投稿したレビューが基本的にはそっくりそのままサイト上に載るということだ。厳密に言えば、投稿されたレビューは一度みんなのウェディング側の審査を受ける。「誹謗・中傷」や「真否の確認ができないもの」など、ガイドラインで定められたチェック項目を通過した投稿がサイトに載る、という仕組みだ。審査に引っかかった投稿に関しては、その理由とともに投稿ユーザに戻され、書きなおしていただく。あくまで、ユーザ目線の口コミサービスである。

一見すると、結婚式場にとって非常に不都合なサービスにも思えるのだが、状況は少しずつ変化しているのだという。「Web上の口コミ」の影響力に気が付き始めた結婚式場が、みんなのウェディングの投稿に対して真摯に向き合い、逆にサービス改善の機会と捉え始めているのだ。これから「信用」がお金に変わる時代になるは間違いないのだから、全くもって賢い選択だと思う。

 

また、Webビジネス研究会のテーマでもある「コンセプトとデータマネジメント」の「データマネジメント」について、みんなのウェディングのサービスの一例をお話いただいた。

みんなのウェディングの独自コンテンツに「ライバル式場との比較」というものがある。これはユーザ1が参照した式場A、式場B、式場Cというデータを元に、ユーザ2が式場Aを参照した場合、式場B、式場Cを比較として提案するという、レコメンド機能のようなもの。詳しくは避けるが、みんなのウェディングのユーザデータベース、口コミのデータベース、結婚式場のデータベースを使えば、かなり面白いデータマネジメントとアプローチができそうだ。

 

 そして、1月24日のWebビジネス研究会からわずか1週間後の1月31日。みんなのウェディングから新規事業が発表された。その名も、「みんなのウェディングプランナー」。結婚式場と契約しているウェディングプランナーではなく、フリーランスのウェディングプランナーとユーザをマッチングさせることで、既存のサービスではユーザが叶えられなかった潜在的ニーズに応えることができる、という新サービス。

今後も新規事業を続々と展開していくようなので、みんなのウェディングの活躍に注目していきたい。

 

 

さて、次回のWebビジネス研究会は3月13日(火)16:00~、アーク情報システムさま会議室におきまして、株式会社バージンダイヤモンド取締役・大場雅人さんをゲストにお迎えして開催いたします。Eコマースに取り組まれてから、早10年。業界のトップを走り続けるバージンダイヤモンドの『実用』データマネジメント術。そしてSNSの活用、テレビコマースへの挑戦などについてお話いただきます。もちろん初公開のお話も盛り沢山。(ジュエリーEC業界の方、ECコンサルタントの方は申し訳ありませんが参加をご遠慮いただきます。)みなさまふるってご参加くださいませ。

最後になりましたが、今回ご講演を受けてくれたみんなのウェディング・中村取締役、ご参加いただいた飯尾代表。会議室を提供して下さっているアーク情報システムさま。BPIA事務局の増井さん。そしてご参加いただいた25名の皆様。心から感謝いたします。ありがとうございました。

 

ではまた次回、3月13日にお会いしましょう(https://bpia-box.com/?p=584)!

 

 

 

石田麻琴 株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役社長

<いしだ・まこと> 早稲田大学卒業後、ネット通販ベンチャーに6年間勤務。1年間で売上7,000%アップ。1人で年商3億円を実現。仕入・マーケティング・システム開発・ マネジメントなど、ネット通販の経営力を徹底して身につける。「『いつかやろう』を、『いまやろう』に」をテーマに、ネット通販を中心としたインターネッ トビジネス支援の株式会社ECマーケティング人財育成を設立。自身のtwitterでは「読んで得するネット通販のコツ」を連載中、フォロワー4万人を突 破。徹底した「本質主義」の姿勢と提案から、ネット通販だけでなくWEB関連のセミナー講演も受けている。クライアント満足度・信頼度100%を目指して いる。