レポート 研究会 2012年度 研究会/講演会 面白工学研究会

【第4期 面白工学研究会(第3回)】報告

テーマ 「面白主義」の実践方法2演習 : やる気と「面白要素」
2012年3月1日(木) 17:00 - 19:00 / コクヨ霞が関ライブオフィス

■参加者
富士男♪(渕野康一、ナビゲータ)、タッキー(かせ沢孝之、サブナビゲータ)、當仲寛哲、井ノ上美和、村橋健司、藤井利侑、谷口擴朗、渡邉信光、古瀬村佳亮、片貝孝夫、石田麻琴、葛谷正明、佐々木一貴、ことみさん(臼井琴美)、実験君(池邊、記録) 敬称略

■配布物

[1] テキスト「部下の心を動かすリーダーシップ3」(新規参加者)

[2] 日経BP社の人材開発支援サイト ヒューマンキャピタル Online

~ 人生も仕事も面白くする方法~面白主義の実践(リーダーシップ) ~

[3] 第4期面白工学研究会<第3回>、レジュメ、第1回・第2回議事録、今後の予定、参加者

[4] 「私の面白要素、本気になる方策」「やる気の上がるとき、下がるとき」「やる気圧(気温)」表

[5] 演習:「やる気圧」テスト

[6] 「ikebe  World」改訂第一版(組織デザイン Thinking Map 「エモーショナル・レイヤ」)

 

■研究会ダイジェスト

第4期の第3回目の研究会は、新たに多くの参加者を迎えて大盛況だった。テーマとしても、「面白工学」が目指すマネジメントの中核主題「やる気」(モチベーション)であり、いよいよ佳境に入った。

 

具体的には、①やる気の「上がるとき」「下がるとき」「本気になる方策」の面白連想ゲーム、②「やる気圧(気温)」テストを通して、“個人と組織を面白くして、やる気を引き出す”ための実践方策を体感し考察した。

 

また、第4期目のテーマである「面白手法」の探求と汎用化に向けては、研究事例のひとつとして、レポーター(池邊)より、昨年度から継続研究してきた“ikebe  World(組織デザイン Thinking Map 「エモーショナル・レイヤ」)”の紹介があった。

 

(1)  「やる気圧」テストは、「やる気圧」(本気、やる気、その気、嫌気)を時系列で分析する手法であり、上昇/下降のきっかけとなった出来事を探り出すことで、何が、仕事の「やりがい」と会社の「働きがい」に影響を与えたか、関連性を分析することができる。また、「やる気」の変化を“見える化”し、「やる気」をマネジメントすることができる。

  •  相互に「やる気圧」テスト結果を披露しディスカッションを行った。その傾向としては、
  • 全員、山谷の起伏が大きく振れており、本気/嫌気のレベルでフラットに推移している人はいなかった。
  • 上昇/下降のきっかけとなる出来事としては、人との関係が大きく関係していた。
  • 「やる気圧」を“見える化”することにより、①本気になる方策のヒントを見つける、②前兆に早く気づくことができ、どん底になる前に対処することが可能になる。

(2)  「面白手法」の探求と汎用化に向けた、研究事例“ikebe  World(組織デザイン Thinking Map 「エモーショナル・レイヤ」)”について、以下のディスカッションがあった。

  • 個々の面白手法については、今後も、更に奥深く追求していく
  • 職種別に作成すると活用が広がる

(3)  仕事の「やりがい」と会社の「働きがい」についての知識の整理

  •  能力と比較して「やる気」の研究は、日本では遅れている。
  • 「やる気」に関するマネジメントにおいても「何に対して」が大事であり、C・I・バーナードの「目的と目標」がポイントとなる。
  •  「やる気」の三大特徴は、「かわる(可変性)」「人によって違う(個人性)」「意識が変わると上がる(自覚性」(出典:菊入みゆき)
  • 「やる気」が出る要因を大別するとウチとソトがある
    ウチ(内発的動機付け)・・・使命、責任、達成(夢の実現)、貢献など
    ソト(外発的動機付け)・・・金銭報酬、経営方針、承認・賞賛、人間関係など
  •  「やりがい」と「働きがい」の相違点
    「やりがい」は対象(仕事)に対して個人で感じるもの
    「働きがい」は組織(会社)や他者との関係性(信頼、誇り、連帯感)の中で感じるもの
  •  「やる気」の方程式
    [やる気]=[対象](誘因)×[欲求](動因)
    [やる気][魅力]×[報酬]×[達成可能性]

 (4)  「面白要素」と「やる気」との関係 ⇒両者は密接に関わっている

「面白要素」とは仕事や遊びを面白くする共通要素のこと。面白くすると「やる気」は上がる。したがって「面白要素」は「やる気」を高める要素(やる気要素)でもある。
例えば「面白要素」の「創造」(挑戦)や「意義」「非日常性」は「やる気」を高める。
また「主体性」とは「やるぞ!感」そのもの。受け身の「やらされ感」では「やる気」は出ない。
「感受性」とは感じる力。「やる気」(意欲)の本質とは「考える」よりも「感じる」ものではないか。
さらに「面白要素」を探求して「やる気」を高める方策につなげたい。

 

■宿題と次回の予告

(1)  宿題 第5回、第6回に向けて、各自の「面白要素」を3つ考え「面白手法」を探求すること。

(2)  次回 4月5日(木) 17:00~19:00、19:00~面白交流、「組織と仕事を面白くするマネジメントとリーダーシップの事例研究」

番外編 4月25日 17:00~19:00 面白仏教塾

(レポート/池邊 純一)