テーマ:榎本代表が語りつくす・・
日本初の『風景専門店(R)』あゆわらのアイデアと事業化、 誕生秘話と「風景ビジネス奮闘記」
ゲスト: 榎本高行 あゆわら株式会社 代表取締役
2012年7月10日(火)16:00- / アーク情報システム(市ヶ谷)
レポート:石田麻琴
皆様、こんにちは。BPIA・Webビジネス研究会ナビゲータの石田です。今回は7月10日にアーク情報システムさんで開催の第5回Webビジネス研究会「日本初の『風景専門店(R)』あゆわらのアイデアと事業化、誕生秘話と風景ビジネス奮闘記」についてレポートいたします。
第5回はゲスト講師として、あゆわら株式会社の榎本高行代表をお招きしました。榎本さんにナビゲータ石田が初めてお会いしたのは2010年12月のこと。僕のtwitterを見ていただいた榎本さんがご連絡をくれ、榎本さんのオフィスでお会いしたのが始まりでした。
榎本さんとはその後、昨年の1度お会いしましたが、初めて榎本さんにお会いしたときのこと、風景専門店(R)についてお話していただいたことが忘れられず、いつか皆様にご紹介したいと考えていたのです。そして、今回、やっと榎本さんにお話いただく機会をつくることができました。
榎本さんが代表取締役を務める「あゆわら株式会社」は主に楽天市場・自社サイトで風景ビジネス(R)を展開されています。
さて、風景ビジネス(R)/風景専門店(R)とはいったい何なのか・・?
まず初めに、そのコンセプトを理解することが、研究会の課題となりました。
風景専門店(R)が提供しているのは「風景の感動」。それは五感に訴えかけるもの全てを対象にしており、サイト内の商品販売点数はすでに8,500アイテムを超えています。
商品カテゴリとしては画や写真が多いため、「風景専門店(R)というのは、単に風景画や風景写真を売っているサイト」と認識されがちですが、実は全く切り口が違います。
風景画や風景写真という、コンテンツそのものの価値を提供しているのではなく、100人の人間の心にある100通りの風景(原風景という言い方もできるでしょうね)を提供しているビジネスなのです。「癒し」のビジネスであるとも言えると思います。
あゆわらの目的は「環境保護の一環としての風景ビジネス(R)の創造」である、と榎本さんは語ります。環境保護というと、エアコンをできるだけ使わないようにするとか、高いリサイクル商品を買うなど、どこか人が『我慢』することばかりが話題になる傾向がありますが、人が風景や自然を「見て触れて」、その素直な『感動』を広げていく活動こそが、真の環境保護なのではないか、と。風景を「守りたい」と思う気持ちと、その想いに対する努力こそが環境保護に繋がる、ということです。ナビゲータ石田が榎本さんに初めてお会いしたときに、とても印象に残ったのもこのお話でした。
すべては、榎本さんが新婚旅行中に撮った一枚の写真から始まりました。
フランス領ポリネシアのボラボラ島の青い海を撮った写真。旅行後その写真を見た友人が、「印刷してもらいたい」と。そんな経験をした榎本さんは、このボラボラ島の写真を印刷し、額縁に入れて、フリーマーケットに出したところ、お客さまから好評をいただき、数時間でほぼ完売してしまった。
ここからあゆわらのビジネスが始まったのです。
当初は副業として風景ビジネス(R)を展開していた榎本さんが、あゆわら株式会社を創業し、独立したのは2009年の1月。ここから創業奮闘記が始まりました。
榎本さんが表現する、できたばかりのネットショップは「農家の無人販売機」。「世界を相手にしていて、自動販売機状態で受注が入り、手間もかからない」そんな華やかなイメージとはほど遠い。そんな状態です。
そのために実店舗でいう「立地」「集客」「接客」「品揃え」を充実させ、売上が伸びたところで、まさかの震災発生。売上も半分に落ち込んでしまったようです。
一度は今までになかったアプローチへのチャレンジを検討したものの、最終的には原点回帰。画についての見識を深めたり、風景専門店(R)とは何かを見つめ直したり、facebookをマーケティングのツールとして使ってみたりなどなど。。
良い商品を仕入れ、お客さまに提案する表現を追及し、来客していただけるお客さまを増やす。シンプルで最も重要なことに向き合うことによって、過去最高の売上を更新されています。
あゆわらの向かう方向として、榎本さんは経営理念を再定義されました。
『風景の感動を広め、心豊かな生活を提供し、社会に貢献する。』
そして、過去にウォールマートが『食』というコンセプトの元、肉屋やパン屋や八百屋を集めたことと同じように、風景専門店は『心』というコンセプトの元、アートギャラリーや書籍・DVD販売店や旅行代理店を集めたビジネスを確立し、「スーパーマーケット」や「自動車」と並び立つ「風景ビジネス」という新しい産業を創造するのが、あゆわらの最終目標です。
100億円企業・株式公開という大きな目標に向かって、榎本さんの奮闘は続きます。
ここからはナビゲータ石田の感想です。
今回、榎本さんのお話をお聞きして僕が思ったことは、「やはり榎本さんは臆さないな」と。ご参加いただいた皆様に、風景専門店(R)について、しっかり落ち着いてご説明されていたと感じましたし、100億円企業・株式公開までもっていきたいと皆様の前で堂々と仰っていたことがとても印象に残りました。ただただ、素晴らしいなと。
おそらく、日本人には1億2000万通りの、世界には70億通りの風景があると思います。その『心』の中にある風景を、見つけることと残せること。ネットショップとしての商品管理/コンテンツ管理やサイトの回遊性、表現力の強化など、榎本さんが取り組まれる課題は多いかと思いますが、あゆわらはオンリーワンのWebビジネスだと思いますし、絶対的ナンバーワンに向けて頑張っていただきたいと思いました。僕なんかが改めて言うのは榎本さんに失礼だと思いますが。。
次に榎本さんとお会いしたときに、風景ビジネス(R)がどんな進展をみせているのか、とても楽しみです。
第5回Webビジネス研究会、いかがだったでしょうか?
今回も20名以上の方にご参加いただきました。多くの方に懇親会までご参加いただき、とても嬉しかったです。
また、第5回の研究会には僕の「ネットショップを使った人財育成」を受講している船橋情報ビジネス専門学校の学生2名も参加されました。研究会中は何度も発言し、懇親会でも多くの社会人の方と交流をされて、両名とも「面白かった。また来たい!」と楽しんでくれた様子でした。
Webビジネスという、比較的新しいジャンルの研究会ですし、今後学生含め若い層の参加も強化し、BPIAに新しい風を入れていければと思います。僕自身もそうですが、年上の皆様との会話は非常に勉強になりますし。
さて、次回以降のWebビジネス研究会についてです。
今回の第5回までは第一期Webビジネス研究会です。第二期のWebビジネス研究会は特定のテーマを設定して、具体的な提案や解決をアウトプットできる研究会として動いていきたいと考えています。
他のWebビジネス系セミナーが真似できない(やりたがらない)ことで、尚且つ、今後のWebビジネスの大きなテーマと付加価値になっていきそうなこと。
現在の僕としては、
・Webをビジネスとして活用できる企業数を増やしていくこと
・自らのWebビジネスを自ら進化させていくための仕組みづくり
・若手社会人、学生を含めた、次のWebビジネス人財の育成
以上の3つがテーマかなと考えています。
詳細は後ほどBPIA事務局よりご連絡メールを差し上げますので、どうぞご期待くださいませ。
最後になりましたが、今回ゲスト講師を務めていただいたあゆわら株式会社の榎本代表、いつも会議室をお借りしているアーク情報システムさん、BPIA事務局の青山さん、臼井さん、そしてご参加いただいた20名以上の皆様、誠にありがとうございました。心から感謝いたします。
それでは、またお会いしましょう!
石田麻琴 株式会社ECマーケティング人財育成(http://www.tomboy-girl.com/) 代表取締役社長
<いしだ・まこと> 早稲田大学卒業後、ネット通販ベンチャーに6年間勤務。1年間で売上7,000%アップ。1人で年商3億円を実現。仕入・マーケティング・システム開発・ マネジメントなど、ネット通販の経営力を徹底して身につける。「『いつかやろう』を、『いまやろう』に」をテーマに、ネット通販を中心としたインターネッ トビジネス支援の株式会社ECマーケティング人財育成を設立。自身のtwitterでは「読んで得するネット通販のコツ」を連載中、フォロワー4万人を突 破。徹底した「本質主義」の姿勢と提案から、ネット通販だけでなくWEB関連のセミナー講演も受けている。クライアント満足度・信頼度100%を目指して いる。