巣鴨のお茶屋さん山年園 イメージ
デジタルトランスフォーメーション研究会 レポート 研究会 2021年度 研究会/講演会

第10期 デジタルトランスフォーメーション研究会 第2回(2021/4/14)

【レポート】

 こんにちは。BPIA/デジタルトランスフォーメーション研究会ナビゲータ―の石田です。今回は4月14日にオンラインで開催された、第10期デジタルトランスフォーメーション研究会の第2回研究会「コロナ禍におけるEコマース販売の変化 ~実店舗の10倍以上を売り上げる中小企業の成功例~」についてレポートします。

 DX研究会今期のテーマであるEコマース。前回の今期第1回はオムニチャネルコンサルタントの逸見光次郎氏をお招きしてEコマースの市場の変化、その先にあるオムニチャネルという考え方の必要性についてお話をいただきました。今回は中小企業のEコマース事業者にお話をうかがうということで、巣鴨のお茶屋さんである有限会社山年園の代表取締役である塩原大輝氏にお話をうかがいました。

 塩原さんは大学卒業後、システム会社に入社されました。家業である有限会社山年園を手伝い始めたのは2013年ごろ。最初は巣鴨にある実店舗の店頭に立って商品知識を得ながら、無給でネットショップを運営していたといいます。もちろんEコマース事業をスタートした当初の担当は塩原さんひとりだけ。先代である親父さんが自社サイトと楽天市場にネットショップを立ち上げてはいたものの、運営に手が回っていない状態だったようです。

 元々システム会社にいたことあり、パソコンのタイピングが早い、HTMLをいじれる、数字に強いなど、Eコマースに取り組むベースが整っていたことも良かったようで、反対にネットショップのコンテンツのデザイン面など苦手な仕事については外注の会社さんにお願いをしているとのこと。それでもEコマース事業をはじめた当初はすべて自分でおこなわなければいけなかったわけですが。

 明確に数字が伸びてきたときのエピソードとして話してくれたのが「楽天市場の父の日のイベントに初めて広告を出稿したときのことで、その日1日で月商分の売上をつくることができたのが現在に至る成長の大きなきっかけになったと言います。私自身、塩原さんのお話を聞いて感じたのが「度胸の強さ」「臆さない心」です。「やってみなきゃわからない」「行動してみないとわからない」「ダメでも最悪なんとかなる」というような言葉が研究会の中でも良く出ていました。

 昨年の4月の緊急事態宣言後、Eコマースのトラフィックが一気に伸びました。塩原さんのネットショップ山年園も例外ではなく、母の日のイベントを開催した1日で1,500万円の受注があり、その時点で母の日の在庫が切れてしまったとのこと。昨年の緊急事態宣言時は多くのEコマース事業者で在庫切れが起こり、在庫回転率の分析などきちんと計算をしていた事業者ほど在庫が早く切れ、在庫管理がルーズな事業者ほど長く商品を売ることができた、という話が非常に面白かったです。さすがにコロナ禍など予測不可能ですもんね。

 さて、次回は大企業のEコマース事業者をお呼びして今後のEコマースについて考えていきます。次回の研究会は6月16日(水)の17:30です。次回もよろしくお願いします。またお会いしましょう。


【開催概要】

タイトル コロナ禍におけるEコマース販売の変化 ~実店舗の10倍以上を売り上げる中小企業の成功例~
日時 2021年4月14日(水)
17:20〜 接続可
17:30-19:00 講演及び質疑応答
講師 塩原 大輝 氏 (有限会社山年園 代表)
開催方法 Zoom
※ご参加者様へは別途開催情報をお知らせいたします。
対象 BPIA会員、会員ご紹介者
※ BPIAに関心をお持ちの方歓迎します!

【ナビゲータ石田氏 より】

こんにちは。BPIA/DX研究会ナビゲーターの石田です。
Eコマースをテーマに開催をしている今年度のDX研究会。前回はコンサルタントの逸見氏に市場環境のお話をお聞きしました。今回は中小企業のEコマース事業者として、有限会社山年園の塩原大輝氏をお招きし、石田とのトークセッション形式で研究会を行います。コロナ禍でEコマースはどう変わったのか、中小事業者の生き残る道は・・などお楽しみに。
ぜひふるってご参加ください。
 

【講演内容】

巣鴨のお茶屋さん山年園は、巣鴨とげぬき地蔵通り門前仲見世にあり、70年余りの間、参拝のお客様にご愛顧頂いています。
巣鴨でおばあちゃんの味覚で鍛えられ、選びぬかれた「こだわりのお茶」「健康茶・健康食品」「おやつ・お茶うけ」を販売しています。
山年園のネットショップは、自社サイト、楽天1号店、楽天2号店、Amazon.co.jp、Yahooショッピング、dショッピング、au Pay マーケット、ギフトモール、ヤフオク、Qoo10、Ippin、Amazon.comなど、多数のチャネルで販売をおこなっています。
コロナ禍で多数の企業が倒産している中、Eコマース販売は非常に着目されています。コロナ前後の市場環境の変化、またライバルが増え続ける中、中小企業のEコマースはどのようにして生き残っていくのか、そんなお話ができればと思っています。
 

◎講師プロフィール

塩原 大輝(しおばら たいき)氏
有限会社山年園(やまねえん)代表

1987年 1月8日 東京生まれ東京育ち。趣味は、ゴルフ、バスケ、NBA。
大東文化大学を卒業後、システム会社(株式会社M&S)に入社。
プログラミングを経験しWMSシステム開発に携わりパソコンマスターになる。
一身上の都合により、4年程で退社。

有限会社山年園の仕事を手伝う。完全に債務超過だったので、最初の半年ほど無給で働く。
パソコンの知識を活かし、EC事業を活性化しようと努力する。
パソコンマスターであっても、全く売れないことに気づく。

このままだと会社も自身も辛かったので、初心に戻り色々と頑張って、EC事業の収益を伸ばすことに成功。

ECだけではなく、実店舗販売・電話通販・卸事業・貿易事業、などに力を入れている。
2018年3月には実店舗2号店もオープン。

巣鴨に店舗・倉庫・事務所など、現在は5箇所の拠点で運営。(1号店を建て替え中)
取引先は200社ほどあり、1社1商品とかのところも多々あり。※効率悪いとよく言われる

従業員は、パートさん含め35人ほど(1日/約15人体制)で、年中無休365日営業をスタッフのおかげで実現できている。

有限会社山年園ホームページ

▲有限会社山年園ホームページ

 

■ナビゲーター

石田 麻琴(株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役)
 

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